フィールドオーラルヒストリー

フィールドに出てイマココの過去・現在を巡る思い出探索とアーカイブ

オーラルヒストリーとは関係者から直接話を聞き記録をまとめる歴史研究の一つの方法で、筆述で明示化されなかった事実が浮き彫りになると言われています。今回、リサーチャーの学生当時の指導教官の先生方と、オンライン勉強会の一環で場所を起点としたオーラルヒストリーを実施しました。先生方は、1970 年代に指導教官と学生だった関係で、現在は、共に東京大学名誉教授です。コロナ禍で外で直接お会いすることができない中で、馴染みのある秋葉原を CoMADO でおしゃべりしながら巡り、電気街の風景から当時の研究に関わるハプニングや機材調達のこと、当時と今を比較した街の変遷をオーラルヒストリー的視点で記録しました。

キーワード
オーラルヒストリー、おしゃべり、街の探索

CoMADO だからできること

  • 本人も忘れていた記憶がその場所の映像をきっかけに思い出すことがあるので、対面のインタビューでは聞き出せないエピソードを知ることができる
  • 各人の体験により街の見方が変わるので、様々な視点から一つの街の特長を知ることができ、街の魅力の再発見や再認識ができる
  • CoMADO の記録が参加者の集合知として活用できる

こんな方へ

  • 街の歴史について、その土地に知見のある高齢の方から街を巡りながら聞き出したい方
  • 街を世代の異なる視点で観察することで未来へのヒントを探りたい方

プログラム

本プログラムは、1 人のプレゼンターが街へ出向き、CoMADO でみなさんとお話をしながら街を探索し、エピソードを皆で語ります。現在の街の風景を観察しながら、世代が異なる参加者がそれぞれ持つ街の思い出を話しながら関係する場所を巡り、現在と過去を行き来しつつ、最後に未来の萌芽を探っていきます。

目安時間
75 分 (CoMADO 利用時間)
目安人数
3 〜 4 人
用意するもの
CoMADO ルーム、Miro ボード、インターネット環境、スタビライザー (プレゼンター用)、スマホ、タブレット PC

進め方

  • 01

    30 〜 60 分

    事前準備

    どの街に行くかを関係者間できめる。参加者の興味や思い出深い場所、アクセスのしやすさなどを考慮し場所を事前に決めておく。(必ずしも参加者本人が参加する必要はなく、こういう話を聞きたいという主催者側の意向で決めて良い)

  • 02

    5 分

    ご挨拶

    CoMADO の接続と音声通話のテストを兼ねて、参加者にご挨拶と街の様子を軽くレポートする。

  • 03

    60 分程度

    街の探索

    街の様子を伝え、移動場所はあらかじめ決めずに、中継画像、地図を見ながら、思い出と重ね合わせつつその場で行きたい場所を各人が指差しで方向や場所を示し移動、探索を繰り返す。たくさんの移動をせずとも、お店や街の角地などで話が盛り上がることもあるので一つの場所にとどまって指差ししながらおしゃべりを楽しんでもよい。

    所要時間はスマートフォンのバッテリーと高齢の先生の体調の関係で 60 分程度とした。

  • 04

    10 分

    クロージング

    CoMADO 上で本日のまとめと各人が興味深いと思った点や気になったところなどを議論し、未来の方向性について意見を述べる。

  • 05

    60 分程度

    Miro ボード上の記録の編集

    今回の用途はアーカイブの記録が主目的のため、Miro ボードの記録はリアルタイムに共有はせず、あとから主催者側がコメントや写真を追加しアーカイブとしてまとめる。

レシピを考えた人

上岡 玲子

Ryoko Ueoka

東京大学大学院先端学際工学専攻学位取得 博士 (工学)。専門は UI/UX、VR。CoMADO 開発メンバー。人生 100 年時代の働き方をアップデートすることを目指し、九州大学を退職し 2021 年 (株) zeroinon 設立。代表取締役社長。

コメント

現在の街の様子を共有すると不思議と過去の日常のエピソードがどんどんと出てきて、対面のインタビューでは伺えなかった様々なエピソードを引き出すことができ、オーラルヒストリーとして貴重な記録を残すことができます。

また、ここにかつては銭湯があったなど、現在は面影もない街の風景がお話から蘇ってきて、街の過去を掘り起こしているような、マイニングの感覚も CoMADO をやりながら楽しむことができます。

コツ・ポイント

場所を指し示す時は必ず画面上で「指差し」をするようにしましょう。現地のプレゼンターは特に、「ここ」と言って画面のアングルを変えてしまうことが多いですが、アングルを変えてもリモートの人たちにはどこを示しているのか伝わりません。また、頻繁にアングルを変えると映像を見ている方が酔い易くなる可能性もあります。任意の場所を指し示したい時は CoMADO の特長である「指差し」を多用しみなさんで共有しましょう。


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